2016年11月20日日曜日

私は人生をかけて自分が信じるもののために戦ってきた

ちょっと前の話になりますが、とても知的かつ聡明な年下の友人に久しぶりに会いました。
彼女は言葉を使う仕事をしているので、もちろん言語に対して繊細な感覚を持っているのですが、それ以上にすごいと思うのは、ほんのわずかな言葉からコンテクストを読み解くのが抜群に優れているという点。
「それが仕事でしょ」と言われるとそれまでなんですが、実際に会って話したり、メールをやり取りしたりしていると、その繊細かつ大胆な感覚に思わずのけぞることがたくさんあります。

今回は終わったばかりのアメリカ大統領選の話が出ました。
英語の勉強のためにCNNニュースを見ている私は、投票当日、各州から開票状況をレポートする記者たちのお通夜のような表情にビックリしました。
不謹慎を承知で書かせてもらうと、まるで大災害にあった被災地から被害状況をレポートしているかのようでした。
私がテレビを付けた時は、まだわずかしか開票されていませんでしたが、どちらが勝つかは彼らの表情を見れば明らかでした。

「今回の選挙は『野球帽をかぶった層』が投票に行ったと言われているんですよ」
そう友人は言いました。
なるほど、と思いました。
アメリカの三大スポーツと言えば、野球、アメフト、バスケットと言われていますが、CNNのスポーツニュースではかなりサッカーが大きく扱われています。
今年の夏は、毎日のようにトップニュースでユーロ選手権の結果を伝えていました。
アメリカのエスタブリッシュメント、つまり大都市に住んでヒラリーを応援しているような層は、今や三大スポーツと同じぐらいか、それ以上にサッカーを好むようになったのだと理解しています。

だから、そうではない層――古き良きアメリカの保守的な価値観を守っている人々――の象徴が「野球帽」だと聞いて、我ながらとてもよく納得できました。
CNNを日常的に見るような層ではない人々が選挙に行ったからこそ、事前の予想とは異なる結果になったわけです。
とはいえ、投票日が近づくにつれ、CNNはヒラリー優位の推測を崩さないまでも、「もしかしてイギリスのEU離脱と同じことが起きたらどうしよう…」という緊張感がスタジオに広がっていました。
居並ぶキャスターやコメンテーターの表情にも「たぶん大丈夫だよね。でも、ひょっとしたら…」という疑念が浮かんでいるように見えました。

もちろん、私はヒラリーを応援していました。
女性初のアメリカ大統領になるかもしれないということもそうですが、それだけでなく冷静かつ聡明で、酸いも甘いも噛み分けた政治のプロフェッショナルとして、彼女を尊敬していました。
何より、選挙戦中に群衆を前にしてスピーチする彼女は、堂々と自信に満ちていて、本当に痺れるぐらいカッコよかった。
敗北が決まった後のスピーチは、スピーチライターとヒラリーの思いが一体となった、まさに一世一代の名スピーチだったと思います。
負けてなお、彼女はカッコよかった。
けれど、敗北してもあれだけの矜持を保っていられるということは、彼女が敗北に慣れているということの証左でもあります。
どれだけ彼女が苦汁を飲まされてきたか、どれだけ不当な(今回の選挙結果は公正なものですが)扱いを受けてきたか、あのスピーチを見た時に、私はその背後にある彼女の膨大な敗北の数を思って泣きました。
そこにこれまでの自分の敗北を重ねて泣きました。
彼女と自分とでは比べ物にならないことを理解しつつも、泣かずにはいられませんでした。

もちろん、最初からハンディを背負った戦いであることは承知の上です。
男性社会で女性が男性に伍して戦うということは、周回遅れでスタートするのと同じことです。
スタートラインにつかせてもらえる時代に生まれただけマシだとさえ思っています。
それでもあの夜は自分のために、感傷的な気分で泣きました。

I've spent my entire adult life fighting for what I believe in.
(私は人生をかけて自分が信じるもののために戦ってきた)

そういえば、ビル・クリントンが大統領を退任する時に、彼が専業主夫(?)をやるCMが放送されて、それがとてもコミカルで大好きだったんだけど、動画を探しても今回の大統領選の物ばかりで全然出てこなくて困っています。

ちなみに、私は阪神タイガースの大ファンですが、野球帽はかぶりません。


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